太古の昔から「音楽」は多くの人の心を癒し、勇気を与え、人生の喜びを感じさせてきました。その力はまるで魔法のようで、宗教でも積極的に活用されてきました。

 

ヨーロッパでは19世紀まで、音楽家は宮廷や教会に仕える一種の奉公人として音楽活動を行っており、多くの音楽家が収入の安定を求め、組織への所属や地位を追い求めていました。その中で、1789年にフランス革命を生きたベートーヴェン（1770〜1827）は「自作曲の演奏会開催」「月謝制レッスン」「出版印税」「依頼作品の制作の報酬」などによって音楽家として自立した活動を行い、音楽家の「新時代」の幕を開けました。この流れは19世紀ロマン主義のメンデルスゾーンやワーグナーなどに引き継がれ、個人の人間性を尊重し、音楽だけで生きるスタイルが一般的になり、現代まで続いています。

 

しかしながら、15世紀以前の音楽家がどのように収入を得、どのように生活していたかという記録は、現存しておらず、その様子を知ることは難しいです。十字軍と教会の勢力が強かった中世において、教会が音楽の力を利用したことで、音楽家＝教会というスタイルになったと想像できますが、それ以前も音楽家は「組織からお金をもらう」というスタイルだったのでしょうか。

 

私は、その違和感をずっと感じながら音楽家として活動をしてきました。生涯のほとんどを歌と共に歩んできた私は、「歌」は私たち人間の想いをメロディーに乗せて宇宙に伝える手段であり、同時に宇宙からのメッセージを歌を通じて人々に伝えるものだと考えるようになりました。そして、音楽家は宇宙と人とを歌を通じて結びつける役割の人物であり、そのために宗教でも大いに音楽が活用されることになったと思います。

 

その深い価値と重要性を持つのが「歌」です。古代から伝わる音楽は、神と人の心を結びつける神秘の通信手段だったようです。音楽は単なる音の羅列ではありま

 

せん。それは心の共鳴、喜び、涙、希望が凝縮した魔法のようなものなのです。しかし、この美しい響きが、前述のような過去の商業的な価値観によって歪められてきたことも事実です。

 

私も含め多くの人が、奇跡的に心を揺さぶらせる音楽の瞬間に出会い、感情を癒してくれました。しかし、その深い意味や多様性は、この資本主義経済の時代には「商品」としての側面に埋もれがちでした。これでは音楽の真の力、その魔法が引き立つことはありません。

 

「１曲作って〇〇円」「1曲演奏して〇〇円」「歌を歌って〇〇円」。古代の文献から伝わるように、音楽が神と人の心を結びつける神秘の手段であるならば、このように定価を設定することすらできません。

 

そんな葛藤と違和感を感じながら、私は小さな改革を行う決意をしました。この「新しい料金システム」を始めることで、音楽の真の価値を取り戻し、商業的な対価交換だけでなく、音楽そのものの奥深さと魅力を再評価する革命を起こすのです。私の音楽活動は、あなたと多くの方の心と手に支えられており、その支えに、心より感謝しています。

 

この新しい料金システムが、音楽家と私たち人間の未来にともし火をつけ、世界が幸せになってほしいと願っています。あなたのご支援を受け、今以上により良い音楽制作を目指し、豊かな風があなたの一日を彩り、幸せを運んでくれることを祈っています。

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​尾飛良幸

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