※このブログで紹介しているメソッドは基本的に尾飛良幸オリジナルです。
こんにちは。尾飛良幸です。
実はビブラートには種類が2つあります。
「普通のビブラート」と「ちりめんビブラート」
ちりめんビブラートは、発声的にも歌的にもよくない状態ですね。
具体的な音声をお聞かせすることができないので、今回は波形データでお話しします。
ビブラートとは、音が綺麗に揺れることで、豊かな演奏ができる技法です。
一般的に音程の上下と、音量の大小が同時にシンクロして発生する状態のことです。
このビブラートは、歌声で「元々かかる人」と「かからない人」がいます。
私は、かからない人でした。
とにかく真っ直ぐな声で、学生時代は「ロボットボイス」と言われたほどです。
今は、意図的にかけることができますが、結局、喉や声帯周りの脱力ができるかどうか、というのがビブラートのポイントになります。
例えば、ご高齢の方が声を出すと、声が揺れてしまうことがあります。
あれはまさに「ビブラート」であり「ちりめんビブラート」ではないと感じます。
つまり、声帯周りの筋肉に力が入らなくなったことで、自然にビブラートがかかるようになった、ということですね。
ですので、ビブラートの練習は脱力が基本であり、意図して「ビブラートをかけよう」とすると、余計な力が逆に入ってしまい、おかしな揺れ方になります。
簡単にいうと「わざとらしい」感じになりますね。
さて、綺麗なビブラートと、ちりめんビブラートの違いを、音声データで比較してみましょう。
上のデータが「ちりめん」
下が、綺麗なビブラートです。
真ん中に、青い線が横に繋がっていますが、これが音程を表しています。
ちりめんの場合、細かく音が上下しています。
これがまさに、ちりめんの特徴です。ずっと「声が細かく揺れている」という状態ですね。
歌を聞くと、実は結構ちゃんとした歌として成立しているのですが、どこか不安を感じさせる印象があります。
また、ビブラートは特に語尾でその威力を発揮しますが、語尾以外でもずっと声が揺れているため、語尾のビブラートが目立たなくなり、その効果を発揮しづらくなります。
こちらが綺麗なビブラートです。
ピンクの枠で囲った部分が、ビブラートしている部分です。
ビブラート以外の部分に、細かい揺れがほとんどなく、真っ直ぐな線が続いているのがわかると思います。
非常に安定した歌になっています。
その安定した音の最後、語尾の部分で一定のリズムで音程が上下しているので、ビブラートがしっかりかかっているという印象がより強くなります。
この図では、横に流れている段が、半音を示しているので、約1音半の幅でビブラートしていることになります。
これはビブラートでも深いタイプになります。
一般的な綺麗なビブラートは、喉周りの脱力ができるようになると、できるようになりますが、「ちりめんビブラート」を無くすようにするには、少し努力が必要です。
ちりめんビブラートの原因は、呼吸が不安定になることだと考えていますが、その呼吸を安定させるためには、深い呼吸とその呼吸を安定して声帯に届けるための、正しい姿勢が必要です。
呼吸は、ただ大きく呼吸するだけではなく、「腹式呼吸」と「支え」の習得が、やはり大事になります。
その結果、徐々にちりめんビブラートから解放されていくことが多いです。
「腹式呼吸」と「支え」については、このブログの「関連ブログ」にアップしておきますので、お時間あればご覧ください。
私は歌だけなく、音楽制作もやっていますが、その中で「ボーカルエディット(編集)」もしています。
今のテクノロジーでは、音程もリズムも声質も、機械で簡単に直すことができます。
でもこの「ちりめんビブラート」は、とても厄介で、機械でこの「細かい波/揺れ」を直すと、非常に機械的(ロボット)になり、かなり不自然です。
例えるならば、写真で荒れた肌を隠そうと、アプリで加工しすぎたら、人間離れした肌/顔になってしまう、そんな感じでしょうか。
なので、歌を練習するときに、最低限獲得するべきものは、「ちりめんビブラートのない声」であり、さらには「歌うたい特有の豊かな声の響き」であると私は思います。
あ、もちろん音程やリズムは必要ですよ!
歌は、追求すればするほど、学びが多くて、本当に楽しいなと思います。
ぜひ、今日も楽しく歌を歌ってくださいね!
※なにか「使い方」や「練習方法」などで、教えて欲しい事や質問がある場合は、コメント欄にコメントいただくか、お問い合わせフォームからご連絡ください。メールでの回答は無料でお答えしております。
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