プロの歌手でも
「この人、別に歌が上手いわけじゃないけど、なんか心にグッとくる歌を歌うよね」って人と、
「ん〜、歌はもちろん凄く上手いんだけど、どうも心に響かないん歌なんだよねえ」と言う人っていませんか?
今日はこの不思議な現象について、書いてみたいと思います。
この現象を理解するには、歌の持つ3つの要素を理解しておく必要がありますね。
技術力:いかに楽に凄い声が出るか
表現力:聞き手に感動を与える力
心の統制力:気持ちの安定感
「技術力」の練習は、一般的に「ボイトレ」と言うとこんな感じかなあ〜って皆さんがイメージするようなことをします。
発声練習や腹式呼吸、リズムや音程の練習などですね。
もちろん私も、声も出ないし、呼吸も浅かったし、リズム感も音程も本当に悪かった人なので、技術力の練習はたくさんやってきましたね。
20代前半までは、とにかく呼吸の練習はしてましたね。
呼吸がちゃんとできれば、歌が上手くなるって思ってたから!
でもそれは、半分だけしか、あってません。
なぜなら、技術力は「いかに楽に凄い声が出るか」だけであって、聞き手が感動する歌が歌えるわけじゃないから。
確かに、技術力が身につくと、聞き手は「びっくり」してくれますよ。凄い声ですね!って。
でも歌が心には響かない。
そういうタイプの人を、私は「発声おばけ」と呼んでいます。
なので「ん〜、歌はもちろん凄く上手いんだけど、どうも心に響かないん歌なんだよねえ」と言う場合は、ほぼ間違いなく「発声おばけ」です。
では、「この人、別に歌が上手いわけじゃないけど、なんか心にグッとくる歌を歌うよね」と言う人は?
「表現力」が豊かな人、と言うことですね。
歌詞のもつ世界観を、歌い手自身がきちんとイメージし、そのイメージを正しく聞き手に届けることができるスキルを持っていると、相手が感動してくれます。
ここで大事ことの一つは「歌詞の解釈」
歌詞の意味をちゃんと理解すると、凄く表現力アップします。
例えば、何か好きな歌を1曲思い浮かべてみてください。
どんな曲でもいいですよ。
では、その歌の主人公は何歳ですか?
季節はいつですか?
主人公が一番言いたい事はなんでしょう?
あなた自身も、主人公と同じ経験をしたことありますか?
あなただったら、どうしてましたか?
実は、こう言うところまでしっかり歌い手が理解する必要があるんです。
まずは最低限5w1hですね。
いつ
どこで
誰が/誰と
なんで
何を
どうやって
そしてさらに、その歌詞の世界観が、風景として頭に浮かんでいますか?
その風景に、あなた自身が「感動」してますか?
もし自分自身が「感動」しているならば、その感動が聞き手に届くわけです。
逆にいえば、歌い手が歌詞に感動してなければ、聞き手が感動するはずがない、と言うことですね。
この「歌詞の解釈」の手法は、プレゼンや朗読などでも応用できると思います。
ただ言葉を読むのではなく、頭に浮かんだ風景を伝える。
これが表現力にはとても大切なことですね。
ご自身の歌が、どのように聞こえているのかを知りたい方は、30分の声診断にお越しくださいね。
尾飛良幸の
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